ホーム
会長挨拶
幹事紹介
とーく会ヒストリー
現在の西高
恩師の近況
人・ネットワーク
とーく会ブログ
リンク
メール
プライバシーポリシー
セピア色の写真

現在の西高<写真集<長崎新聞掲載の記事 

下記の記事は2007年1月1日、長崎新聞に掲載された記事です。
長崎新聞を購読されてる長崎県内の方はすでに読まれたと思いますが、県外の方にも読んでいただきたく掲載させていただきました。
母校の活躍を誠に嬉しく思いました。


教育 現場は今

「改革」と「再生」。教育は今、この構図の中で語られ始めた。進学、就職といった新路選択は複雑になり、いじめや不登校も深刻な課題。学校教育にとどまらず、塾やフリースクールが存在感を示し、学童保育など子どもの放課後の過ごし方は、国の制度も含めて転換期にある。「教育 現場は今」−。そこから見えてくるものは何か。県内公私立高の最前線の進学事情をリポートする。(報道部・川野隆之)






 夕闇に包まれた校舎の教室から、明るい光が漏れていた。昨年12月半ば、長崎市竹の久保町県立長崎西高。大学入試対策の「特別講座」が複数開かれていた。
 「風邪ひいてないか。今日は何の講座?」。校舎内を巡回する進路指導主事の下釜祐保教諭(47)が、女子生徒(18)に声をかけた。
 「はい、大丈夫です。『なんでも世界史』を受けました!」

 「東大・世界史」「難関大・数学」「長崎大医・生物」−。長崎西高は今期初めて、3年生全員を対象に全教科の課外講座を組んだ。下釜教諭は「志望校別の編成と黒板を使った授業形式、自由参加が特徴」と話す。とはいえ、全般的な復習を生徒の求めに応じて行うことも。だから例えば、「なんでも世界史」が存在する。

 総合選抜の廃止と公立中高一貫校の新設を機に、「高校」をめぐる状況はここ数年で変容した。特に選抜制廃止を受け、旧選抜10校(長崎5校、佐世保3校、諫早2校)は特色を競い始め、その1回生が大学を受験したのが昨年春。国公立大への進学率は過去10年間で最高の54.1%に達した。

 そこで今、長崎西高が勢いを見せている。高校合格段階で、各校に生徒を平均して振り分けた総合選抜時にはなかった傾向だ。

 修猷館(福岡市)、熊本(熊本市)、鶴丸(鹿児島市)・・・。全国模試の偏差値分布では、九州の名だたる公立進学高に肉薄、昨年春の東大合格者は現役、浪人合わせて7人に上った。だが、長崎西高の廣田勲校長(57)は、こう引き締める。

 「県内で、これだけ優秀な生徒が公立の1校に集中する状況はかつてなかった。いわば未経験の領域。学校一丸となった指導体制を、さらに充実させていく」

 勢い、を示すものがもうひとつある。長崎西高の正面玄関と校長室。ここには、計8本の運動部の優勝旗が並ぶ。文化部も生徒会も盛んだ。大学合格者で見ても、国公立大は8割、難関大で9割が部活経験者。廣田校長は自信を持って語る。「これがうちの強み」



 「生徒と保護者、教職員にアンケートを実施し、それぞれの期待に応える新しい学園を目指す」
 
 昨年秋、西彼時津町の青雲中・高に、教職員らによる改革委員会が発足した。創立32年で初の試み。中嶋将晴校長(62)は県内外の動向を敏感にとらえ、「青雲のビジョン」を再構築する必要性を口にした。

 東大合格者の累計は500人を超え、国公立大医学部への進学実績は全国トップクラス。それでもなお、足元の見直しが始まった。

 それは、受験一辺倒ではない。「将来、各分野のリーダーとして社会貢献できるバランスのとれた人づくり」。中嶋校長は、学園の理念を強く意識したスクールライフを創造する考えだ。


 機を見るに敏という点では、ほかにも動きがある。難関国公立大を目指す「ステラ・マリアコース」を本年度創設し、男女共学に踏み切った長崎市東山手の海星高。同コース生が2年に進級する4月、医歯薬学部向けの新時間割が組まれる。「これまでは個別指導していた分野。生徒の成績は優秀で、要望も強かったため制度化を決めた」と同校は説明する。



 では、受験産業はどう見ているのか。4年前に長崎に進出した九州最大手の総合学習熟、英進(本部福岡市)。長崎校の木下義文教室長(35)は、「部活動など高校生活を満喫しながら超難関大を目指すモデルになりつつあるのが長崎西。雲は『東大』『医学部』に特化したブランドの維持が命題。他の私学も実績作りに躍起だ」と進学事情を見渡す。

 少子化や種々の制度改革を背景に“選ばれる”ことで生き残りをかける学校。前出の公私立高関係者も、こう口をそろえる。「われわれは今、新たな学校像を確立する過渡期にある」






Copyright (C) 2006 nagasakinishikou-talkkai. All Rights Reserved.