プロカメラマン
佐々木 博司 さん
 


  



中学のころからカメラに興味を持ち、将来は映像にかかわりたいと思い、大学でもその道へ進みました。
テレビカメラマンになりたいと思っていましたが、映画撮影のほうに興味を持ち、カメラマンとして今日に至っています。
仕事柄いろんな場所や国にも取材に出かけました。
また、皆さんがよくご存知の「皇室アルバム」の撮影にもかかわっております。



西高時代
 入学時は西町に住んでおり、そこから西高へ通学していました。3年生後半に日見トンネルを越えた宿町へ引越し、バスで通っていました。
 私は寡黙な方でクラブ活動にも入っていなかったので、校内ではほとんど目立たない存在だったでしょう。中学の頃からカメラに興味をもっており、西高へ入ってから日大芸術学部だけを目指しておりました。
大学時代


大学時代。自宅にて
 西高在籍の頃、映画からテレビの時代へ移り変わる時期で、私もテレビカメラマンになりたい思いで、放送学科を受験したのですが競争率が高くダメで、数日後映画学科を受けたところなんとか合格できました。
 とりあえず映画からスタートしいずれ放送学科に転科しようと思っていたのですが、映画の方がだんだんと面白くなり、そのまま卒業まで映画撮影の勉強をいたしました。
 大学に入ってからは映画をよく見る様になり、それまではあまり映画館に行くことはありませんでした。
毎日映画社へ入社


昭和63年。出張先で撮影した映像をチェックしているところ
 大卒の数ヶ月前、知人の紹介で毎日映画社を知り、そこでアルバイトとして働きました。運よくその年の4月正社員として採用されました。

 毎日映画社は昭和30年に創立し、映画館で上映されていたニュース映画・記録映画やPR映画、TV番組を制作しています。TBS系の「皇室アルバム」は昭和34年スタートし長寿番組として今も放映しています。(長崎ではNBCで放送)

 入社後5〜6年撮影助手として働き、その間TVニュースや短い番組など少しずつカメラを回させていただき、カメラマンとして今日に至っています。
印象に残った仕事
 昭和49年、毎日映画社自主製作で版画家・棟方志功さんを1年かけて取材し、撮影助手として携わりました。

 志功さんのアトリエでの作業、伊豆・富山でのスケッチ、郷里でのねぶた祭りなど生前の棟方志功さんに直接ふれることができ貴重な経験でした。この作品「彫る 棟方志功の世界」は芸術祭大賞ほか数多くの賞をいただきました。

 カメラを回すようになって、群馬テレビ(U局)で「上州再発見」という30分番組があり、県内の伝統行事・習俗・自然・産業・歴史・人物などひとつのテーマを掘り下げた番組を数多くやりました。この仕事は自分にとって興味あるものでした。

 その中でも印象に残ってるのが現在人間国宝である刀匠・大隅俊平さんの若い頃の日本刀作りの記録でした。

 大隅さんは結構気難しい方で、こちらから注文することは一切できず、ただ作業振りを見ながら撮影していく方法でした。このことがあとで考えると本当の記録映画だったんだと教えられました。



平成元年
第1回世界青年の船に乗船。ハワイ・中南米数カ国をまわり、日本へ岐路中。ハワイ島を撮影。
 平成元年には第1回世界青年の船に乗船しました。スタッフは演出・録音と私の3人。1月に日本を発ちハワイ・メキシコ・そしてパナマ運河を越えヴェネズェラヘ、再び運河を渡りエクアドルへと72日間、日本と外国青年総勢276名が世界的視点にたち共通の課題や討論などさまざまな交流活動を行いました。

 当初2ヶ月間も乗船するのは大変だと思っていましたが、日時が発つにつれ青年たちとの交流もありいい経験でした。この記録映画は2回目以降の船に乗る青年たちに紹介されました。

 仕事とはいえ、2ヶ月間船の旅ができ楽しい思い出となりました。



↑ 平成3年
東京都・「夢の島熱帯植物館」展示映像のため西アフリカ・カメルーンへの熱帯雨林他ロケをしたときのスナップ。
平成3年4月より1年間、見学者に見ていただきました。
 苦労した仕事もあります。
 2度の熱帯雨林の撮影です。平成3
年(東京都夢の島熱帯植物館・映像
ホールで上映)カメルーンへ、また7年
(板橋区熱帯環境植物館で上映)に
はマレーシア・ボルネオ島ロケでし
た。いずれも35mmフィルムで機材も
多く暑さと湿気で大変でした。



↑ 平成7年
板橋区立熱帯環境植物館の展示映像のため、マレーシア・ボルネオ島の熱帯雨林をロケ。ヘリコプターよりボルネオ熱帯雨林を撮影。

 昨年は壱岐市勝本町に昔から残っている船競漕行事の記録映画を撮りました。紅白の2艘の船に青年5人が櫓を漕ぎ、競漕の結果その年が豊作か豊漁を占う行事です。
 
 入社時撮影はフィルムでしたが、そのうちビデオに移り変わり、今ではビデオ中心になりましたが、この船競漕は16mmフィルムで撮影しました。フィルムの作品はこれが最後かもしれません。

 確かにビデオの方が安価で、すぐ見れる特長がありますが、私としてはフィルムの方が緊張感があり好きです。



平成17年6月。両陛下がサイパン島へ慰霊の旅を取材。
 平成8年から宮内庁の嘱託撮影を担当し、宮殿での天皇陛下のご公務など16mmフィルムで撮影しています。

 また天皇皇后両陛下、皇太子同妃両殿下、秋篠宮殿下の御誕生日用の映像も撮っています。毎年暮れには新年用として皇室ご一家御揃いの映像も撮影しております。

 たいへん名誉ある仕事で貴重な経験をさせていただいております。これらの映像は「皇室アルバム」で放映されています。皆さん、是非ご覧下さい。
趣  味
現在、賞状技法を通信教育で勉強しています。
今後のこと
 来年5月で定年を迎えます。そのあと再雇用制度があり2〜3年そのまま働くことができそうです。体力のある限りこの仕事を続けられたらなーと思っています。

 そして退職後は長崎に戻りたいと考えていますが、いろいろ問題もあります・・・・
でも、老後はやはり長崎でゆっくり過ごしたいです。












青年の船に乗船したときの写真

出発の日。晴海埠頭で参加青年がにっぽん丸に乗船しているところ。


パナマ運河航行中




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