世界の美術館を観て歩けば-2

 パブロ・ピカソは『芸術は日々の生活のほこりを、魂から洗い流してくれる』

と言う名言を残した。今までに訪れた美術館や博物館などで観た作品からは、それぞれの時代 に芸術家がどの様に活動したかを感じ取ることができる。
 フランスでは圧倒的にパリに多くの作品が集中しているが、地方都市にも素晴らしい作品を展 示している美術館や施設が多くある。
 イタリアではミラノを中心にレオナルド・ダ・ビンチの『最後の晩餐」など、世界的に有名な壁画 など歴史上貴重な作品が多くある。
 
 今回は、フランス4都市とイタリア3都市、ヴァチカンの11施設を紹介します。
    
   世の中落ち着いて、海外旅行が安心して行けるようになったら・・・
          参考にしていただければ幸いです。

                            2020.05    上原 寛一郎


都 市
名   称
U R L
フランス
ナンシー
11
ナンシー美術館 www.mban.nancy.fr
12
ナンシー派美術館 www.ecole-de-nancy.com
メッス
13
ポンピドゥー・センター・メッス www.centrepompidou-metz.fr
ニース
14
マティス美術館 www.musee-matisse-nice.org
ナント
15
レ・マシーン・ド・リル www.lesmachines-nantes.fr



11、ナンシー美術館 Musee des Beaux-Arts  
フランス北東部、ロレーヌ地方にナンシーの街がある。中心地のスタニスラム広場に面した場所にその美術館 はある。14〜21世紀のヨーロッパ絵画が多く、ルーベンスや、ドラクロア、モネ、モディリアニ、ピカソなどが明 るい館内に展示してある。地下はドーム兄弟のクリスタル作品約300点が展示してあり見応えがある。



12、ナンシー派美術館 Musee de l’Ecole de Nancy 
アールヌーヴォーが生まれた街ナンシー。その出身のエミール・ガレが中心となった家具や工芸品、クリスタ ル再現され、当時を再現した部屋に展示されている。ガレは日本の美意識を学び植物や昆虫のモチーフを多
く取り入れたジャニズム調あふれる 作品が多くある。また、ナンシーの 街中にはアールヌーヴォー調建築物 が多くある。





13、ポンピドゥー・センター・メッス Centre Pompidou Mets
メッス駅前に建つ斬新な外観の美術館は、2010年オープンしたパリのポンピドゥー・センターの別館で、日本 人建築家の坂茂氏が設計に携わった。特に木組がダイナミックで日本の技術がうかがえる。大型の展示物が 多く、絵画の前では子供たちが床に座り学習している。また、展示室からはメッスの街並が見渡せる。


14、マティス美術館 Musee Matisse 
コートダジュールの中心地ニース。その丘の上にマティス美術館はある。17世紀に建てられ たローマ時代の円形闘技場が残るオリーブ畑に囲まれた公園に位置する。マティスはニースで 暮らし、1954年に没するまでの絵画やデッサン、愛用品などコレクション330点が展示され ている。タクシーで向かう途中、運転手がそばにあるシャガール美術館じゃないかときた。日 本人旅行者は圧倒的にシャガール・ファンが多いらしい。


15、レ・マシーン・ド・リル Les Machines de l’ile 
パリ・モンパルナス駅からTGV2時間、そこにナントの街がある。『80日間世界一周』や『海底2万里』など多 くの冒険小説でおなじみのジュール・ヴェルヌが生まれた町で、ここに彼の言葉”人が想像することは、必ず 人が実現できる”を形にしたレ・マシーン・ド・リルがある。一度に50人を乗せて会場内を歩く「ザ・グランド・エ レファント」や鳥、昆虫、魚介類の機械仕掛けの動く”生き物”が子供だけでなく大人も夢中にさせる。ここは 美術館ではないが、芸術集団「ラ・マシン」が設立され、想像をはるかに超えた世界を生み出している。2015 年春に訪れたが、その後も次々と不思議な”生き物”が生まれているという。とにかく楽しい展示ギャラリーで ある。






都 市
No
名   称
U R L
イタリア
ミラノ
16
サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会 www.cenacolovinciano.net/
17
レオナルド・ダ・ビンチ国立科学技術博物館 www.museoscienza.org/
18
プラダ財団美術館(Fondazione Prada) www.fondazioneprada.org/
ベネチア
19
ドゥカーレ宮殿 www.palazzoducale.visitmuve.it/
20 ムラノガラスギャラリー www.museovetro.visitmuve.it
フィレンツェ
21 ウフィツィ美術館 www.uffizi.it/
ヴァチカン
ヴァチカン
22
サン・ピエトロ大聖堂 www.saintpetersbasilica.org



16、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会
    Santa Maria delle Grazie  
美術の教科書には必ず登場する、巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチが1495年から1497年にかけて描いた『最 後の晩餐』はミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィ教会に隣接するドメニコ会修道院の壁に描かれている。 2003年に訪れた時は櫓を組み、慎重に筆を使い修復していた。再度2015年に訪れた時は完成し公開さ れていた。やはり本物を目の前にすると感動が伝わってくる。シーズンオフだと当日予約でも、少々待てば入 場できる。


17、レオナルド・ダ・ヴィンチ国立科学技術博物館
   Museo Della Scienza E Della Tecnologia Leonardo da Vinci 
ミラノにあるレオナルド・ダ・ヴィンチ国立科学技術博物館は1953年、生誕500年を記念して作られた。発明 した装置の設計図やデザイン、模型など「万能人」と称されたレオナルド・ダ・ビンチの偉大さを垣間見ること ができる展示である。イタリアのデザインの原点がここに有るのかもしれない。


18、プラダ財団美術館 Fondazione Prada 
ミラノ中心部からメトロ3線に乗り「Lodi T.i.b.b」駅下車。そこから徒歩約10分の位置にある。「政治」 「性」 「生死」 「社会」をテーマにしたアートで、メッセージ性が強く理解しがたい作品も多く、不思議な感覚に陥 る。敷地内で一段と高い建造物のホーンテッド・ハウスは24金で覆われ眩しく輝いている。また、クロークや トイレも斬新なデザインで、スタイリッシュな造りとなっている。ミラノ中心部の美術館も良いが、さすがプラダ のこのラグジェアリーな美術館での1日は、特別な体験となった。ちなみに、65歳以上は入館料は無料。


19、ドゥカーレ宮殿 Palazzo Ducale
ベネチアのサン・マルコ広場にあるヴェネツィア・ゴシックの代表建築の宮殿で、内部に大きな中庭を持った共 和国の政庁兼宮殿として使用されていた。ベネチア映画祭の会場として有名な宮殿。天地7m、幅22mの世 界最大の油絵「天国」や大理石装飾の効果絢爛な「黄金の階段」などが有名。また、秘密の部屋や牢獄後を 回るシークレットツアーも人気。


20、ムラノガラスギャラリー Museo del Vetro 
ムラーノ島へはベネチアからヴァポレット(水上バス/フェリー)で10分ほどで行ける。
ベネチアングラスの工房が集まる島として有名だが、現地では「ベネチアングラス」という言葉は存在しない。 「ムラーノ・グラス」と呼んでいる。ギャラリーはムラーノ島の中心部の水路沿いにあり建物自体もベネチアン・ ゴシック様式で美しい。展示物は時系列に並べられ、1〜3世紀頃のローマ時代の作品から15世紀〜20世 紀の歴史的に有名な傑作が展示されている。帰りには島を巡りながらムラーノ・グラスの販売店を覗くのも楽 しい。


21、ウフィツィ美術館 Galleria degli Uffizi 
フィレンツェのヴェッキオ宮殿(正面にダビデ像あり)の右横にウフィツィ美術館がある。
16世紀にフィレンツェを支配していたメディチ家が建てた美術館で、展示作品はルネサンス時代の国宝級2, 500点にのぼる。よく美術書などで見たレオナル・ド・ダヴィンチやミケランジェロ、ラファエロ、ポッティチェッリ の「ヴイーナスの誕生」など巨匠の作品に出会える。美術館の奥からはアルノ川が見渡せる。


22、サン・ピエトロ大聖堂 Basilica di San Pietro in Vaticano
バチカン市国のシンボル、サン・ピエトロ大聖堂はカソリック教会の総本山で、世界中から多くの信者が訪れ る。大聖堂の内部は奥行きが180m以上もあり巨大で壮麗な他に類を見ない装飾美である。中に入って右手 にルネサンス最高の彫刻家ミケランジェロの「ピエタ」がある。大理石から掘り出した彫刻で、最高傑作の1つ と言われている。大聖堂の主祭壇にはベルニーニ作の巨大な大天蓋が鎮座している。どこを見回しても聖人 像の多さと祭壇に圧倒される。






  



Copyright (C) 2006 nagasakinishikou-talkkai. All Rights Reserved.